漢方治療と鍼灸治療は併用できるのか
日々施術をしているときに、ふと患者さんから、「漢方薬を飲みながら鍼灸治療をしていてもいいのか?」と聞かれることがあります。
私は基本的には「鍼灸治療と漢方治療を併用しても大丈夫です」というふうに答えています。
というのは東洋医学では、鍼灸治療にせよ、漢方治療にせよ治療の最大の目的は体が持っている自然治癒力を最大限に引き上げるということで目的が一致しているからです。
西洋医学的な治療の場合、病名や症状名によって使用する薬が決まっています。一方東洋医学では病名や症状名だけではなく東洋医学的な診察である四診によって、体格や体質、病気の原因や病状を分析し、その人の病態傾向を示す証を決定します。
そして、その証に合わせて、漢方薬が処方されたり鍼灸での治療法が決定されます。
例えば冷えが強い体質の人であれば寒証という風に診断され、体を温めるための漢方薬が処方されます。
同病異治といって、同じような症状でも異なる処方をすることもあります。例えば同じ風邪という症状であっても体力があり抵抗力の強い人には葛根湯を処方しますが、虚弱体質で病気に対する抵抗力の弱い方には小柴胡湯などを処方します。このように西洋医学的には風邪の症状という同じ症状にもかかわらず出される漢方薬が違うことがあるのです。
この証が東洋医学でいう診断ですから、漢方薬であっても鍼灸治療であっても証が合っていれば、治療効果に問題がありません。しかしどちらかの証が誤っていた場合治療効果が出にくかったり、逆に症状を悪化させてしまうこともありますから、証を診断せずに、症状だけで漢方を処方してしまうとよくありません。
漢方薬は配合されている生薬によって効き目が出てくる期間が異なります。早いものもありますし、ゆっくりしたものもあります。
例えば風邪などに用いる葛根湯は即効性があります。
一般的に病気になってからの期間が短いものほど早く治り、慢性病ほど治すのにも時間がかかるといわれています。
2週間から1ヶ月正しく服用していても、まったく変化の見られない場合、他の症状が出てきた場合は証が間違っていて、処方されているものが合っていない可能性がありますので、医師や薬剤師の方に相談してみましょう。
また、漢方薬には副作用がないと誤解されている方もいますが、副作用が全くないとは言えません。先ほど述べたように証が間違っている場合、服用前には出なかった症状が出てくる場合があります。これは鍼灸治療でも同じことがいえます。
その他には漢方薬に用いる生薬の量や組み合わせの問題もあります。
例えば生薬に用いる甘草には大量に使うと血圧上昇やむくみが起こりますし、麻黄は動悸や不整脈、血圧上昇を起こすことがあり、高血圧の人や心臓に病のある肩はよく注意しなけれあなりません。
小柴胡湯とインターフェロンの併用で、間質性肺炎を起こした例も報告されています。
漢方薬に限った話ではありませんが、複数の薬を同時に服用していると、互いに作用しあって副作用が起こることもあります。
漢方薬を服用する際は専門家の方によく相談して服用するようにしましょう。
とはいえ漢方薬は2000年以上の歴史の中で安全性と効果が検証されてきていますし、西洋医学の薬に比べ、副作用が非常に少ないいとされているのは事実ですので、用法用量をしっかり守って服用すれば安全に自然治癒力を高めてくれるものと考えられます。
私は基本的には「鍼灸治療と漢方治療を併用しても大丈夫です」というふうに答えています。
というのは東洋医学では、鍼灸治療にせよ、漢方治療にせよ治療の最大の目的は体が持っている自然治癒力を最大限に引き上げるということで目的が一致しているからです。
西洋医学的な治療の場合、病名や症状名によって使用する薬が決まっています。一方東洋医学では病名や症状名だけではなく東洋医学的な診察である四診によって、体格や体質、病気の原因や病状を分析し、その人の病態傾向を示す証を決定します。
そして、その証に合わせて、漢方薬が処方されたり鍼灸での治療法が決定されます。
例えば冷えが強い体質の人であれば寒証という風に診断され、体を温めるための漢方薬が処方されます。
同病異治といって、同じような症状でも異なる処方をすることもあります。例えば同じ風邪という症状であっても体力があり抵抗力の強い人には葛根湯を処方しますが、虚弱体質で病気に対する抵抗力の弱い方には小柴胡湯などを処方します。このように西洋医学的には風邪の症状という同じ症状にもかかわらず出される漢方薬が違うことがあるのです。
この証が東洋医学でいう診断ですから、漢方薬であっても鍼灸治療であっても証が合っていれば、治療効果に問題がありません。しかしどちらかの証が誤っていた場合治療効果が出にくかったり、逆に症状を悪化させてしまうこともありますから、証を診断せずに、症状だけで漢方を処方してしまうとよくありません。
漢方薬は「長く飲まないと効かない」「副作用がない」という誤解
漢方薬は長期にわたって飲み続けなければ効かないという印象をもたれやすいです。しかし変化が出るまで何か月もかかるわけではありません。処方された最初は1~2週間くらいで効き目が出てくる場合が多いです。漢方薬は配合されている生薬によって効き目が出てくる期間が異なります。早いものもありますし、ゆっくりしたものもあります。
例えば風邪などに用いる葛根湯は即効性があります。
一般的に病気になってからの期間が短いものほど早く治り、慢性病ほど治すのにも時間がかかるといわれています。
2週間から1ヶ月正しく服用していても、まったく変化の見られない場合、他の症状が出てきた場合は証が間違っていて、処方されているものが合っていない可能性がありますので、医師や薬剤師の方に相談してみましょう。
また、漢方薬には副作用がないと誤解されている方もいますが、副作用が全くないとは言えません。先ほど述べたように証が間違っている場合、服用前には出なかった症状が出てくる場合があります。これは鍼灸治療でも同じことがいえます。
その他には漢方薬に用いる生薬の量や組み合わせの問題もあります。
例えば生薬に用いる甘草には大量に使うと血圧上昇やむくみが起こりますし、麻黄は動悸や不整脈、血圧上昇を起こすことがあり、高血圧の人や心臓に病のある肩はよく注意しなけれあなりません。
小柴胡湯とインターフェロンの併用で、間質性肺炎を起こした例も報告されています。
漢方薬に限った話ではありませんが、複数の薬を同時に服用していると、互いに作用しあって副作用が起こることもあります。
漢方薬を服用する際は専門家の方によく相談して服用するようにしましょう。
とはいえ漢方薬は2000年以上の歴史の中で安全性と効果が検証されてきていますし、西洋医学の薬に比べ、副作用が非常に少ないいとされているのは事実ですので、用法用量をしっかり守って服用すれば安全に自然治癒力を高めてくれるものと考えられます。
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