腹筋で腰痛になる?

腹筋運動は手軽に行いやすく、腹筋を鍛えることで見た目もよくなることから筋トレの時に多く取り入れられますが、やり方を間違えると腰痛や体を故障する原因となりますので気をつけてください。
少し前の朝日新聞の記事になりますが、こんなことが書かれていました。
腹筋に力を入れ、首を固定したうえで胸部を屈曲させる腹筋を鍛える運動としてよく知られる「上体起こし」。一般的に「腹筋運動」と呼ばれるこの動作を何度も繰り返すことが、腰痛の原因になるとして、やめさせる動きが、バスケットボール界などで広がってきている。
腰痛もちの方が、「腰痛にいいよー」などといって進められる腹筋運動ですが、やり方を間違えると腰椎の椎間板を痛める原因となりかえって腰痛を悪化させたり、場合によって腰椎椎間板ヘルニアを誘発させる運動となることもあります。
腹筋運動「上体おこし」の何が悪いのか?
では、いったい腹筋運動の一つである上体おこし(シットアップ)のなにが悪いのでしょうか。
それは上体を起こした時に背骨が曲がることによって腰椎の椎間板が力が入った状態で圧迫され、それが繰り返されることで椎間板を痛めます。場合によっては椎間板の中の髄核といわれるものが椎間板から飛び出す腰椎椎間板ヘルニアになることがあります。
上体おこしは主に「腹直筋」「腸腰筋」「大腿直筋」の3つの筋肉の働きによって行われます。
腹直筋はシックスパック、腸腰筋は体幹の筋肉やインナーマッスルといわれるものです。
上体おこしの初めは腹直筋が、上体おこしの後半では腸腰筋や大腿直筋が収縮します。
上体おこしを繰り返し行い腹直筋や腸腰筋が鍛えられると筋繊維自体は太くなりますが、筋肉の柔軟性自体が欠如している場合は筋肉の緊張する力によって腰椎に不要な力がかかってしまったり、必要以上の緊張は痛みを引き起こすため腰痛の原因となります。
腰痛にならない腹筋はないのか
腰痛にならない腹筋をするためには腰の動きが大きくなりすぎる運動を控えることが重要です。
そこでおすすめなのが、カールアップです。上向きの状態で膝を90°曲げて、頭の後ろで手をつなぐか胸の前で手をクロスし、頭を20センチ程度起こします。おへそをみながらお腹をギューとつぶすようなイメージで行います。その体制で3秒くらいとめます。これを15回程度繰り返します。それで、腰痛にならない腹筋ができます。
腰痛にならないためにはストレッチが重要
腰痛を改善しようとして腹筋をする前にまず、ストレッチを行いましょう。腰椎や骨盤についている筋肉の異常な緊張をとるだけで、腰痛が楽になることは多くのケースで見られます。
太ももの前の筋肉、太ももの裏の筋肉、お腹、お尻の筋肉をまず伸ばしてみてください。
立っているのが疲れる場合やすぐ猫背になりやすいという方は腹筋を入れてみてもよいでしょう。
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