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経絡と経穴(ツボ)のはなし
東洋医学について勉強したり、鍼灸治療を受けたことがある人であれば経絡という言葉を聞いたことがあると思います。または鍼灸院に人形が置いてあって、その人形にたくさんの線がついているのを見たことがある人もいるかもしれません。経絡とは何かというと、気や血の通り道です。
生命活動を維持するために全身を縦横に張り巡らされています。これによって全身に気や血が私たちの体の隅々まで送られます。
体の深い部分にある臓腑から、体表部の皮膚や筋肉までをつないでいて、気や血が巡ることによって、生体機能全体を調整してバランスを保っています。
経絡はまた、病気に抵抗するする力である正気や病気を引き起こす力の邪気の通り道でもあります。正気が経絡の中を十分に巡っていれば、病気にはかかりません。逆に体表部から内部に侵入したり、ストレスなどによって体内に発生した邪気が経絡を通って、臓腑へと悪影響を及ぼします。
また、体表部の器官と臓腑は、経絡を通じてお互いに影響しあっています。例えば臓腑に異常が起きることで気や血に過不足が生じ、それが経絡を通って体表部にも影響し、しびれ、痛みなどといった形で病気が表面化することになります。
経絡には経脈と絡脈とがある
経絡には、太い幹にあたる経脈と、経脈から分かれた細い枝である絡脈とがあります。経脈の「経」は縦を意味しており、経脈は体内を縦方向に走っています。一方、絡脈の「絡」には「つながる」や「からまる」といった意味があり、体内を横方向に走って経脈どうしを繋ぐ役割を持っています。ちょうどあみだくじの縦の線を経脈、横の線を絡脈とイメージしてもらえるとよいと思います。気や血はそれぞれの経脈を流れるだけでなく、絡脈を通じて、離れた経脈と交通することが出来ます。
経脈にはさらに、正経十二経脈と奇経八脈とがあります。正経十二経脈は五臓六腑+心包のにそれぞれつながっている12本の経脈で各臓腑に気や血を行きわたらせる働きがあります。奇経八脈は正経の気があふれたときに、そのバイパスとして働くと考えられています。奇経は臓腑とは直接つながっておらず、正経十二脈をつなぐように張り巡らされています。
経穴(ツボ)とは?
経穴は簡単に言うとツボのことです。ツボというのは凹みを指します。ツボは凹んでいることが多いのでそういうふうになったのではないかといわれています。
東洋医学的にいうと経穴は気の出入り口と考えられています。
気には邪気と正気があります。
正気とは自然治癒力を高めたり、からだを正常に機能させるために働きます。これは飲食物を消化したり、呼吸により取り込まれ、臓腑の働きによって作られます。これが各組織に送られて声明を維持しています。
邪気は体を病気にさせる働きのある気です。邪気は葛藤によって生まれます。暑さ寒さなどの環境ストレス、暴飲暴食によるストレス、精神的ストレスなどによって発生します。
この正気と邪気の体の中の通り道が経絡となります。経穴は経絡上にあって正気と邪気をからだの中と外部とを連絡するための出入り口として働きます。
経絡は高速道路、経穴はインターチェンジに例えられるかもしれません。経穴から邪気と正気が乗り降りしています。
経穴に鍼をすることで、経穴から邪気がからだの外へと出てくのを手伝い、経穴から正気を補うことで、自然治癒力が高まるというのが、東洋医学の考え方です。
経絡は、疾病の際の反応点であり、診断点であり、治療点と考えられてます。
経絡は、疾病の際の反応点であり、診断点であり、治療点と考えられてます。
西洋医学的には内臓の反射区と解釈されたり、筋肉や皮下組織が硬くなってできてしまったしこりであるトリガーポイントと解釈されていることが多いです。
経絡をとり入れた鍼灸治療
東洋医学では、こうした経絡のメカニズムを利用して病気の診断や治療を行います。例えば、病気や体調不良がおきたときには経絡と体表部の接点である経穴(一般にツボとよばれます)に痛みやしこり、陥凹などの異変がおこります。その場合に経穴を経絡を通じてつながっている臓腑に病変が起きていることが推測でき、診断をするうえでの指標となります。また、逆に経穴に鍼やお灸などの刺激を与えるとその刺激により気や血の巡りをよくし、臓腑の働きを助けます。正気を強めて自然治癒力を高めます。逆に邪気がある場合は鍼をすることで、邪気を体外に放出することで症状を改善できます。
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