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インフォームドコンセントについて
病院や鍼灸などで治療を受ける際に、インフォームドコンセントという言葉をきいたことがある人もいるかもしれません。当院でもインフォームドコンセント、さらにはインフォームドチョイスを心がけて施術にあたっています。
インフォームドコンセントって何?
インフォームドコンセント(Informed Concent)とは直訳すると「説明と同意」または「知らされたうえでの同意」となります。患者さんが医師などから治療を受ける際に治療に関して説明をうけて、理解し、同意をしたうえで治療を行っていくことを指します。今までの日本では医療に関してはパターナリズム(父権主義)になりやすく、高齢者の方をはじめとし、自分の受ける治療はすべて医療従事者にお任せするという風潮が強くありました。
しかし近年では患者さん自身に積極的に治療に参加してもらうことや、治療方法が多彩になっていることで治療方法を選択する必要が出てきたことから、患者自身が自分のからだの状態をしっかりと説明を受け、いくつかある治療の選択肢から適した治療を自分で選んでいくという流れに変化して生きています。
ここ数年ではインターネットの普及もあり、自分の病気や症状についてよく勉強されている患者さんも増えてきました。
インフォームドコンセントが行われるようになった背景は?
インフォームドコンセントが行われるようになったのは1960年代のことです。それまでは治療に際して、医師が患者を不安に陥れることはいうべきではないという観点から治療に関しては説明することはありませんでした。
しかし、そこには「事故の技術の最善を尽くす」「患者に危害や不正を与えない」という道徳観を守り患者からの信頼をえていきました。
人の命を救う医師が患者に危害を加えることは通常考えられませんでした。
しかし第二次世界大戦のナチス政権下で医師団は多くの人体実験を行い、危害を加えてきました。この中には生命の危機を伴うワクチンの開発や凍死予防の実験など非人道的な実験もありました。もちろん被験者は臨床実験にたいする説明などはありませんでした。
戦後こうした背景から、基本的人権を尊重しようという機運が高まり、医療の分野でも自分の体をどうするかは自分で決めるという医療における自由権が確立されていきました。
インフォームドコンセントが必要な場合
インフォームドコンセントはどんな場合に必要かというと、すべての臨床実験、人体に侵襲を与え、あるいは害を指す可能性のあるすべての診療行為を行う際に必要となります。乳幼児など自分の意思を示せない場合は家族による同意が必要となります。注射、投薬、手術等はいずれも、他人の身体を気づつける侵襲行為であるため、これらの行為が正当な医療行為となるためには患者の同意が必要となります。
もちろん、鍼灸治療にしても、鍼を体内に刺したり、お灸をしたりする(異業類似行為)ので同意が必要となります。
インフォームドコンセントで知らせるべき内容
医療行為をする際は次のことを説明しなくてはなりません。- 病名と病気の現状
- これに対してとろうとする治療の方法
- その治療法の危険度
- それ以外に選択肢として可能な治療法とその利害得失
- 予後
- 治療を放置した場合の将来予測
先にも述べましたが、日本では患者の多くが医師にお任せの意識が強く、あからさまな質問を遠慮する傾向がありますし、病院側も時間に余裕がなかったりすることから患者さんが理解しうる十分な説明をできていないところがあります。
当院では患者さんに積極的に治療を参加していただきたいですし、なるべく不安なく施術を受けていただきたいと思っているので本やパソコンなどで図を用いたりして十分な説明をできるよう工夫しています。
でも、ついつい専門用語を使ったり、伝わらないこともあり反省することもあります。
これからは多くの医療機関、鍼灸院などでインフォームドコンセントがしっかりと行われていくことを望みます。
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