手首の痛み ドゥケルバン病の鍼灸治療

ドゥケルバン病とは手首の親指側が痛む腱鞘炎のことをいいます。

突然手首の親指側に痛みが出たり、最初は違和感から始まり徐々に痛みが悪化し、最悪じっとしていても手首の痛みに悩まされるようになります。

こんな方は要注意です

  • タイピングや指先を多く使う方
  • 更年期や出産期でホルモンバランスが変化しやすい方
  • 手を使うスポーツをする方
  • フライパンをよく使う
  • 赤ちゃんをよく抱っこする方

ドゥケルバン病の状態

長母指外転筋と短母指伸筋の周りにある靭帯性腱鞘が炎症を起こし、腱鞘が分厚くなったり、腱に傷がつき痛みが起こります。

ドゥケルバン病の症状

手首の親指側の橈骨茎状突起の痛みがあり、しばしば親指や腕などに放散痛がます。

ドゥケルバン病の鍼灸治療はどのようにするのか

ドゥケルバン病の鍼灸治療は痛みの出ている部位への浅置鍼(3mm程度)、糸状灸を行います。現在では糸状灸の代わりに温灸器を用いて施術します。

また、前腕の筋肉が緊張していることが多く、筋肉の緊張が手首の腱にストレスを与えるため、前腕部に鍼やお灸をすることで、手首の痛みの緩和に非常に有用となります。

非常に有効性が高いため、鎮痛薬などでは痛みの改善が見られない場合、手術をしたくない場合は鍼灸治療を試すことをお勧めします。

ドゥケルバン病の病院などの一般的な治療はなにをするのか

ドゥケルバン病では親指や手首を安静にしておく必要があります。サポーターやテーピングなどでの補助、場合によってはシーネなどで固定をします。

そのほか湿布、鎮痛剤や腱鞘へのステロイド注射が行われることがあります。

基本的には保存療法で経過をみますが、痛みが改善しなかったり再発を繰り返す場合は腱鞘を切開する手術が行われます。

ドゥケルバン病のセルフケア

ドゥケルバン病では手首の腱鞘におこる慢性的な炎症が原因なため、炎症を抑えなければなりません。また治癒を促進するために循環もよくしなければなりません。

その二つを同時に行う手段として適当なのがお風呂に入る前に氷水で15分患部を冷やすことです。これを交互浴といいます。

まず、患部を氷水などで15分冷やすことで炎症を抑えることができます。その時患部が冷えることで、血管収縮を起こします。

その次に、患部をお風呂などで10分くらい温めます。十分に冷やした後に温めることで二次的血管拡張といって冷やされて収縮した血管が一気に拡張し、血行が促進されます。

交互浴によって患部の炎症を抑えることと、血管拡張による循環の改善が期待できます。

ずいぶん前に来院された方で鍼灸治療で、なかなか効果が見られない方がいたのですが、鍼灸治療と併用して交互浴をためしてもらったところ、みるみるよくなっていったことから、現在手首の痛みで来院される患者さんには鍼灸治療と合わせて交互浴をしてもらうよう勧めています。

多くの場合は交互浴と週一回の鍼灸治療を行うことで、1カ月以内に治癒します。

頑固な手首の痛みで困っている方は一度この方法をお試しください。