ひじの痛み テニス肘の鍼灸治療

テニス肘はテニスをする人だけがなる症状だと思われていますが、実は日常生活の中でテニス肘と同じ症状が出てしまう方もいらっしゃいます。

テニス肘は

  • テニスやゴルフなどの手を使うスポーツをしている人
  • 鍋やフライパンをよく使う人
  • 腕で重たい荷物を持つ人
  • パソコンのタイピングをとても多くする人

などによく起こります。上にあげたような人で肘の痛みのある方はテニス肘になっている可能性があります。

当院のテニス肘の鍼灸治療

テニス肘の鍼灸治療当院のテニス肘の鍼灸治療は肘の局所治療と遠隔治療治療を行います。

局所治療は肘関節の痛みを引き起こす原因となっている関節の炎症部分に浅く鍼をすることで消炎鎮痛を目的として鍼をしていきます。

また、肘関節の炎症を悪化させる腕の筋肉の緊張を和らげる目的で腕の筋肉の固くなっている部分に鍼やお灸をしていきます。

使うツボで代表的なものは曲池(きょくち)や手三里(てさんり)です。

遠隔治療では東洋医学的に肘と関連が深い手の陽明大腸経のツボに鍼をしていくことが多いです。ツボとしては合谷(ごうこく)や二間(じかん)を使います。合谷や二間には清熱といって肘の熱を冷ます効果を期待して使います。

テニス肘の患者さんの多くは慢性的な炎症を起こして肘に熱を持っていることが多いので、これらのツボを用いることで局所に鍼をすることと合わせて相乗効果を狙います。

テニス肘は肘だけでなく肩こりの鍼灸治療も必要

テニス肘は肘の周りだけ治療すればいいと考えている治療院、整骨院、整体院、鍼灸院などが多いと思いますが、当院では肩こり、特に肩甲骨周辺の施術も行っております。

長年のテニス肘の鍼灸治療の臨床の結果、肘だけに鍼灸治療を行うよりも肩甲骨を中心とした肩こりの治療を合わせて行うほうが、痛みの取れ方がよいことが分かりました。

恐らく、肘周辺の筋肉と肩周辺の筋肉が浅筋膜という筋膜を通じてつながっていることからこのようなことになったのではないかと考えています。

テニス肘の病院などでの治療

テニス肘で病院に行くと肘の状態を聞かれて、レントゲンを撮ります。レントゲンを撮って骨に異常がない場合はテニス肘と診断されます。

そのあと多くの場合は湿布薬や消炎鎮痛効果のある軟膏などが渡されて、あとは様子を見て下さいで、終わりです。

痛みが長く続く場合は痛み止めの注射を患部に打つこともあります。

症状が軽ければ、整形外科でこの治療でよくなることもありますが、頑固なテニス肘の場合はこの治療だけでは難しい場合が多いです。

テニス肘は肘がどのようになっているのか

はじめにテニス肘の鍼灸治療や病院での治療を説明してきましたが、どうすると肘の痛みが出るのか説明します。

テニス肘は病院での診断名は上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)です。

腕の手の甲側にある筋肉(伸筋)はすべて肘についています。テニスやゴルフなど腕の筋肉を繰り返し使ったり、フライパンをよくふる人、タイピングを頻繁にする人は腕の筋肉を多く使うために腕の筋肉が緊張します。

筋肉が緊張すると腕の筋肉の付け根である上腕骨外側上顆に過度なストレスがかかり、これが繰り返させることで炎症が発生します。

肘の痛みが出ても安静にしていない場合、炎症が慢性化して、常に痛みが出ている状態となります。

テニス肘のセルフケア

テニス肘は肘の関節に慢性的な炎症を起こしています。そのため、炎症を抑えることがテニス肘を改善させるうえで最も重要となります。

経験上、テニス肘のセルフケアはアイシングと温浴を交互に行うのが最も効果があると考えています。

氷をビニール袋に入れて、水を少しだけ入れます。氷がない場合は氷枕などを直接患部に15分くらいあてて、冷やします。

冷やした後、すぐにお風呂に浸かります。10分くらい浸かって温めてください。お風呂にすぐ疲れない場合は、電子レンジでチンすると温かくなるジェルなどがドラッグストアなどで売っています。

温め終わったら、20秒から30秒くらい腕の筋肉をストレッチしてみてください。

早ければ1週間くらい遅くても1か月毎日することで、肘の痛みがかなり改善されるはずです。

セルフケアと鍼灸治療を組み合わせることで、ほとんどの方は完治していますので、かなり長い間肘の痛みが取れない方やテニス肘で悩んでいる方は試してみてください。

鍼灸治療を1か月以上続けていいるけど全く効果が出ないという方は骨の異常や他の原因も考えられますので、整形外科を受診してみてください。