脱毛症について
脱毛とは抜け毛のことで頭から毛髪が抜けてしまうことをいいます。髪の毛は人目によくつく部分ではありますので、髪の毛が抜けてしまうのは精神的につらいものがあり、どうにかしたいと思っている方もおられるのではないでしょうか。
脱毛の種類、原因についてお伝えできればと思います。
脱毛の種類
一言で脱毛といっても種類があります。
それは休止期毛性脱毛症と成長期毛性脱毛症です。
休止期毛性脱毛症
髪の毛は絶えず生え変わっており、ある程度成長すると毛髪の周期によって、ブラッシングや洗髪などで自然に抜けます。
休止期毛でも、沢山抜け落ちると異常な状態となります。
休止期毛性脱毛症には
- 分娩後脱毛症
- 男性型脱毛症(若はげ)
- 炎症性脱毛症(フケ症や脂漏性による脱毛症)
- ダイエット・飢餓による脱毛症
などがあります。
とくに、毛髪は性ホルモンの影響を受けます。
男性ホルモンは頭部以外の毛の成長を促進するように働きますが、頭髪においては毛母細胞の代謝に異常をきたし成長期毛の発育を妨げます。
成長期毛性脱毛症
本来であれば成長期にある毛髪は抜けることはありません。しかし何らかの原因によって成長期にある毛髪が抜けてしまう状態を成長期毛性脱毛症といいます。
成長期毛性脱毛症で有名なものは円形脱毛症です。
円形脱毛症は限局する脱毛症で、脱毛する部位が単発のものから、数か所の脱毛箇所が見られるものまで、いろいろ存在します。
円形脱毛症の原因として考えらているものは
- アトピーなどの自己免疫疾患
- 抹消神経の異常
- 過度なストレス
- 抗がん剤などの薬剤
- 白癬菌の頭部感染
- 梅毒
などです。
その他の脱毛症
トリコチロマニーといって自分の手で髪の毛を抜いてしまうことによる脱毛症があります。
とくに女子や子供に多く発症します。指で引き抜くために前髪から横髪に脱毛部分が発生します。
トリコチロマニーは決して人前では髪の毛を引き抜くことはなく、自分の部屋などで家族にも気づかれないように引き抜くために、円形脱毛症と勘違いされることが多くあります。
発症の背後には心因性の要因があるので、治療に関しては心理療法を行う必要性があります。
脱毛症の鍼灸治療
脱毛症の鍼灸治療をする際は全身状態を改善する東洋医学的な療法と脱毛箇所の血流を改善するために患部に知熱灸をする療法をセットで行います。
脱毛の東洋医学的な見方
東洋医学では脱毛はストレスや飲食の不摂生などの日常生活によって、気や血や陰液などが不足することで髪にしっかりと栄養がいかないことで、起こると解釈されています。
その原因として次のようなものがあげられます。
精神的ストレスによる円形脱毛症(血熱生風)
精神的な刺激により心身が乱れることで血熱が生風することで脱毛します。
特徴としては突然の円形脱毛症が起こり、頭皮が委縮しテカります。イライラ・口苦などを伴います。
男性型脱毛症・脂漏性脱毛症(陰血虚損)
髪は血に関係していて、肝腎陰虚などによって陰血が不足すると、髪に栄養がいかなくなり脱毛します。
特徴は成人に多く、頭髪は細く柔らかくなります。フケやかゆみを伴います。
脱毛は頭頂部や額の角から始まり、だんだん薄くなっていきます。
ふらつきや足腰のだるさ、耳鳴りなどを伴うことがあります。
出産後の脱毛(気血両虚)
慢性病や産後などで気や血が不足したりすることで、毛髪に栄養が行かなくなり脱毛します。
全身の疲れや息切れ・動悸・無気力・顔に色つやがなくなるなどの症状を伴います。
アトピーからくる脱毛症(瘀血)
血が停滞することで、新しい血が産生できず、髪に栄養が行かないことで脱毛します。毛髪は全体または部分的に脱毛します。眉毛などの脱毛が起こりこともあります。
経過は長く、慢性化し再生は起こりにくくなります。
特徴としては顔は暗くかさつき、唇は紫色、のどは乾くが水は飲みたくないという症状を伴います。
鍼灸治療をする際はこれらの原因に対応したツボを選び鍼や灸を行っていきます。
脱毛を予防するためには
脱毛症を予防するためには
- 規則正しい生活
- 度数の高いアルコールをとらない
- 怒ったり、イライラしない
- ストレスを避ける
- 刺激的な食べ物を避ける
- シャンプーなどはぬるま湯でおこなう
といったことを注意しましょう。