摂食障害について

摂食障害は、思春期から青年期の助成を中心に増えている病気です。痩せている女性が美しいとする社会的な風潮が深くかかわっているといわれています。

摂食障害は過食症や拒食症などといった食に関連する異常行動を特徴とする障害です。

大きく分けて、神経性大食症(過食症)神経性無職欲症(拒食症)の2つのタイプに分けられます。両方を併せ持つタイプや拒食症から過食症へと移行するタイプ、またその逆も存在します。

摂食障害の特徴としては

・男女比は9:1で女性に多いこと
・10~20代の多いこと
・有病率は0.5~4.2%あること

が挙げられます。

最近では思春期以前に発症するケースも見られています。

発症の原因は、大人になりたくないという思春期の少女特有の葛藤や、母親との心理的分離が不十分、対人ストレスや肉体的疲労、風邪やその他の病気からくる食欲低下がきっかけになることもあります。

むりなダイエットから摂食障害になる人もいます

ダイエットから摂食障害になりやすい人には次のような特徴があります。

完璧主義

摂食障害の人は知的水準が高く完璧主義者であることが多いです。

変身願望

特に取り柄がないから、スタイルよく変身したいという願望があります。

禁欲の快感

厳しいダイエットを続けていることに満足感を感じる傾向にあります。

高く評価されたい願望

社会や他人から高く評価されたいと強く願い、完璧であろうとします。

以上のような、理由から過酷なダイエットを実践し、痩せていくことに満足します。

また客観的には決して太っていないのに自分は太っているんだという歪んだボディイメージを持っています。

ある調査によると、思春期から青年期の女性の平均身長は158㎝、体重は52~53㎏となっています。BMIはおよそ21ですので太っているわけではなく、やややせ気味の体型となります。

それでも多くの女性が痩せたいと思うのは痩せているのは美しいというテレビや雑誌などの影響が大きいと考えられます。

拒食症について

拒食症は強いやせ願望から始まります。体重が増えることに対して強い恐怖を抱いており、普通では考えられないほどのダイエットを行います。

すると胃が小さくなって食べようとしても食べられなくなります。体重が標準体重の15%以上減少した際に拒食症と診断されます。

これだけ痩せると、普通ならダイエットを中止します。しかし拒食症になると自分の体型を正しく認識することが出来ず、自分はまだ太っている、まだ痩せられると思い込んでしまいます。

病的に痩せてしまっていると思わず、本人はまだ太っていると思い込むところに問題があります。

逆に厳しいダイエットの反動から無茶食いをすることで過食症に移行することもあります。

 

痩せすぎることの体への影響

私たちの体は痩せすぎると、栄養不足から、無月経、低血圧、低体温、貧血、肝機能障害などをきたすことがあり、重度の場合は餓死することもあります。

過食症について

摂食障害のうちで最近増えているのが過食症です。

ふつうでは考えられないほど大量の食べ物を短時間にとる、無茶食いするのが特徴です。過食症のきっかけはストレスやイライラ、ダイエットによる強い空腹感です。

いったん食べだすと自分ではコントロールできません。次から次へと食べ物を口に放り込み胃がパンパンになるとようやくやめることが出来るようになります。

その後、食べ過ぎを後悔し気分が落ち込みます。さらに太りたくないという恐怖から、無理やり嘔吐したり、下剤などの乱用を繰り返します。これらを排出行動といいます。

排出行動を繰り返すことで、嘔吐による胃酸の為に歯がぼろぼろになったり、食道炎、食道亀裂を引き起こすなどからだに多大な負担を強いることになります。

下剤でも体液を大量に排出することになるため、脱水症を引き起こすことがあります。

摂食障害ではだいたいの場合、精神的な問題を抱えていることが多いため、専門医などへのカウンセリングなどが必要となるケースがあります。

その他の療法としては東洋医学的に全身のバランスを整える鍼灸治療や漢方治療、TFT療法などが有効と考えられます。