高血圧について

高血圧とは血圧が高血圧領域にある状態をいいます。

高血圧だけでは生命に危険があるわけではありませんが、高血圧は動脈硬化などによっておこるため、脳梗塞、心筋梗塞になる危険因子となるので血圧は健康を管理するうえで重要となります。

 収縮期血圧 拡張期血圧
正常血圧≦140かつ≦90
境界域高血圧141~159かつ/または91~94
高血圧≧160かつ/または≧95

血圧は加齢と伴に上昇します。わが国全体では約3000万人以上の本態性高血圧患者がいます。

本態性高血圧とは

本態性高血圧とは高血圧領域にあり、血圧を上昇させる原因となる疾患がないものをいいます。

本態性高血圧の発症には遺伝的要因と環境要因が関係します。片方の親が高血圧の場合は子供が高血圧になる可能性は30%、両方の親が高血圧の場合は子供が高血圧になる可能性は60%となります。

高血圧の基本的には血管抵抗の上昇によっておこります。

その原因は

  1. 交換神経活動の亢進
  2. 血管平滑筋細胞膜以上
  3. 動脈の血管壁の肥厚
  4. 心臓(心室内腔)の拡張

などが挙げられます。

本態性高血圧症の臨床的な症状は血圧が高いという以外には特徴的な所見は見られません。

しかし放置した場合は10年前後で臓器合併症を併発します。

  • 頭痛、耳鳴り、不眠、めまいなどの脳神経症状
  • 動悸、息切れ、左心不全、心筋梗塞などの心臓の症状
  • 顔面や下肢のむくみ、夜間尿、血尿などの腎臓の症状

などといった症状が主な症状となります。

高血圧に対する鍼灸治療

高血圧に対する鍼灸治療は東洋医学的アプローチによって行います。

頚部から肩および背部に出現する反応点を治療点として施術します。反応点の代表的なツボは天柱、肩井、心兪、膏肓などです。

これらの反応点の中から治療点を選択するとともに四肢末梢の循環を改善するために手足にも施術します。

精神的ストレスによる肩こりや自律神経機能の調節作用を目的とし、加えて様々な身体症状や精神的な自覚症状も血圧上昇の因子となっていることから、これらの症状の緩和によるストレスの改善も間接的に血圧調整に効果的に作用するものと考えています。

東洋医学的な原因は次のようなものが考えられます。

肝火

高血圧の他にめまい、頭の脹痛、イライラ、顔面紅潮、口が苦いといった症状がみられます。

精神的ストレスにより肝鬱が発生し、に熱に化成することで起こります。肝陽が高ぶることで肝火となります。

経穴
合谷(ごうこく)
太衝(たいしょう)
風池(ふうち)
肝兪(かんゆ)

などのツボを中心に鍼灸治療を行います。

痰湿

めまい、頭痛、悪心嘔吐、食欲不振などを伴います。

脂っこいもの、甘いものの偏食、飲酒の過多によって、脾胃を損傷し、痰湿を生じることで起こります。

経穴
太衝(たいしょう)
風池(ふうち)
足三里(あしさんり)
豊隆(ほうりゅう)

などのツボを中心に鍼灸治療を行います。

腎陰虚

めまい、耳鳴り、視力の減退、心悸亢進、不眠、夜間尿などを伴います。

腎臓の陰液が不足することにより、肝陽を抑制できなくなり生じます。

経穴
太谿(たいけい)
三陰交(さんいんこう)
曲池(きょくち)
風池(ふうち)

などのツボを中心に鍼灸治療を行います。

高血圧は放置することで、他の重篤な疾患にかかりやすくなります。気になったらお気軽にご相談ください。