過呼吸症候群、過換気症候群について
過呼吸症候群とは不随意的、急に起こる過呼吸発作により、呼吸器、循環器、脳や神経系統など全身にわたり、いろいろな症状が現れる症候群のことをいいます。過呼吸は過換気症候群とも呼ばれます。
発作を起こした際に、本人は呼吸が止まるのではないかなどといった非常に強い不安に陥りますが、徐々にましになり元に戻ります。放置した際は過呼吸発作は数十分続くことがありますが、死ぬことはありません。
緊張、不安、興奮、恐怖などの心因性の要因や疲労などの身体的要因によっておこります。男女比は1:2と女性に多く発症年齢は25歳以下、思春期が多いとされています。しかし近年では男性や中年異常の年齢でも増加している傾向にあります。
過呼吸発作の症状
過呼吸発作は突然または徐々に呼吸が苦しくなり、次第に不安がつのり、両手の指や口のあたりがしびれた感覚に襲われます。胸苦しさや死の恐怖などを伴い、ひどい場合には手足のしびれ、全身けいれんなどを起こして失神することもあります。
呼吸をし過ぎることで血液中の二酸化炭素濃度が低下することで血液のpHが上昇したり、交感神経の機能亢進状態が発症の原因ではないかといわれています。
過呼吸症候群の治療法
過呼吸の発作時には安心させて、呼吸をゆっくりさせるか止めさせます。もし紙袋やビニール袋がある場合は袋に吐いた息を再び吸う再呼吸法を行わせます。
また医療機関などで十分な検査を行い、他の病気がないことを患者自身が十分に納得することが大事です。過呼吸テストで発作を誘発し、それを消失させうる体験をさせ、病態を十分に説明します(過呼吸で死ぬことは絶対にありません)。
薬物療法では抗不安薬、向精神薬やβ交感神経遮断薬などを処方されることが多いです。
また自律訓練法、行動療法などといった心理療法や絶食療法、生活環境を調整するといった療法も行われます。
自律訓練法
催眠治療から誕生した、「自己意思による訓練法」で、脳制御的な治療法といえます。リラックスした状態で、「気持ちが落ち着いてくる」という意識のもとに「両腕が重たい」、「両腕・両足が温かい」、「心臓が規則正しく打っている」、「楽に呼吸できる」、「お腹が温かい」、「額がここちよく涼しい」の6段階を2~4週間ずつでマスターし、多少騒がしいところでもそれができるように訓練します。
行動療法
患者の不適応行動がどのようなことからできあがり、また、消失したり、変容したりしたのか、あるいは逆に、それがどのような方法により最も効果的に改善することが出来るかを実験的に行われた結果を踏まえて検討し、実践して患者の不適応行動を改善しようとするものです。
当院では過呼吸症候群の治療法として、東洋医学的なアプローチを中心とした鍼灸治療とTFT療法の組み合わせをお勧めしています。