喉の違和感 咽喉頭異常感症について

のど(咽喉部)が異物で梗塞ている感じ、吐き出そうとしても取れないが、食べ物を食べる際には支障がない状態を咽喉頭異常感症といいます。

咽喉頭異常感症は更年期前後の女性に多発します。本人の感覚としては、咽喉部に異物が塞がり、苦しい感じがしますが、飲食、食べ物飲み込むときに障害はありません。また、喉や食道などに腫瘍・炎症などの器質的疾患を認めません。

喉の違和感 咽喉頭異常感症の鍼灸治療

原因不明の喉のつまり感(咽喉頭異常感症)を東洋医学では梅核気といいます。梅の種が喉に詰まったような感覚という意味です。

病因と発症のメカニズムは、情志の鬱結によって、気が滞り、痰(本物の痰ではない)が溜まり、陽明の気が昇降出来なくなって起こるもです。

東洋医学的な病態としては次の状態が挙げられます。

  1. 肝気上逆
  2. 気滞
  3. 肺熱陰虚

肝気上逆

咽喉部に詰まっているような梗塞感があり、喀出することもできず、時には消失し、嚥下は行えます。ストレスなどによって抑うつが強くなり、イライラ、怒りっぽい、胸脇部が苦しくなるといった症状がみられます。

経穴
太衝(たいしょう)
曲泉(きょくせん)
三陰交(さんいんこう)
陰陵泉(いんりょうせん)

などを中心にツボを選んでいきます。

気滞

咽喉部の梗塞感、多量の黄色の粘液性の痰、胸苦しさ、食欲不振などがおこります。

経穴
合谷(ごうこく)
太衝(たいしょう)

などを中心にツボを選んでいきます

肺熱陰虚

咽喉部の発赤、乾燥、軽度の痛みと梗塞感、乾いた咳、少量の痰、熱感が強い、寝汗をかくなどの症状がみられます。

喉の中に異物あるいは痰のようなものがある感覚があり、飲み込むことも、吐き出すこともできないような状態です。胸苦しさや、呼吸がしにくくなります。

経穴
天突(てんとつ)
膻中(だんちゅう)
内関(ないかん)
合谷(ごうこく)

を中心にツボを選んでいきます。

また、咽喉異常感症の方は首の筋肉、とくに喉の周りの筋肉が緊張しています。喉の周りの筋肉の緊張があると喉の違和感がより強くなりますので、当院では東洋医学的なアプローチに加えて、喉や首周りの筋肉のコリを重点的に緩めていく施術を行い症状の改善を図ります。