ツボの働きについて
今日は鍼灸治療において関係が深い経穴(ツボ)についてお伝えしたいと思います。
肩が凝ったから、ツボを押してくれとか、松尾芭蕉が旅を続けたときに足の三里にお灸をしながら旅を続けたなど、昔から私たちの日常生活とツボは密接な関係にあります。
ツボというのはからだに不調が現れたときに、出現されるものとされています。
ツボは目で見ることはできませんが、指で触ったり押したりすると見つけることが出来ます。修練を積み重ねることで、ツボの反応をよりすばやく的確に触知できるようになります。
ツボがある場所は周りと比べるとぺコンと凹んでいたり、固結(こうけつ)といって、ゴリゴリと硬いしこりのようなものを触れたりします。
このような反応を見ながら、私たち治療家は鍼をしたり、お灸をしたりしますが、実はツボには大きく分けて3つの働きがあります。
その3つの働きとは
- 局所効果
- ツボの穴性(そのツボの持つ働き)
- 経絡の調整
です。
ツボの局所効果というのは、例えば肩こりの時に肩甲骨の間や肩の上の方にコリコリとした硬結を指圧したり鍼やお灸で刺激することで、肩の血行を良くしたり、筋肉を緩めたり、痛みを感じる神経を刺激して鎮痛効果を得られたりすることをいいます。
ツボの穴性というのはそのツボの持っている働きのことをいいます。特効穴(とっこうけつ)と呼ばれるように吐き気がするときは内関を使ったり、腹痛の時は裏内庭を使うなどそのツボが持っている効能のようなものがあります。
経絡の調整というのは、ツボを刺激することで私たちのからだに巡らされている経絡(気の通り道のようなもの)の流れをよくすることです。
ツボを使った治療で特に効果が期待できるのは不定愁訴です。不定愁訴とははっきりとした病気はないが、慢性的な疲労感や不眠、肩こり、冷えやのぼせなどの症状で、本人にとってはとても辛いものです。
こうした症状には、ツボを刺激して全身の気・血・水(津液)のバランスを整える治療法が有効です。
私自身普段施術するときは、経絡の調整をすることを基本にツボを選ぶように考えています。