口内炎について

とくに原因がないのに、歯茎や唇、口内の粘膜がはがれて潰瘍ができるもの、熱いものがしみたり、食べ物が触れるといった症状をアフタ性口内炎といいます。口を切ったりした後にみられる口内炎をカタル性口内炎といいます。

口内炎の原因としては、唇をかんで口内に傷がついたり、熱いものを食べて生じた火傷、口内の不衛生や偏食による栄養の偏りなどが考えられます。

抗生物質やステロイド剤によって生じることもあるようです。

口内炎を東洋医学でみると…

東洋医学では口内炎は消化器官、特に脾胃のとの関連が深いとされています。一言で口内炎といっても出ている症状によって、実証と虚証に分けられます。

実証

実証では比較的きつい症状がでます。

熱毒熾盛(ねつどくしせい)

これは味の濃いもの、香辛料の摂り過ぎ、肉の過食などによって胃と関連する経絡に熱を生じた際、その一症状として口内炎がおこるものです。

口の中が乾燥したり、粘ついたり、いくら食べてもお腹がすく、便秘がちなどの症状も伴います。

口内炎は黄色く周囲は赤みが強く、痛みがきついといった特徴があります。

このような口内炎に効果的なツボは
合谷(ごうこく)
曲池(きょくち)
支溝(しこう)
足三里(あしさんり)
内庭(ないてい)
少商(しょうしょう)

となります。

虚証

虚証の場合痛みとしては比較的強くないことが多いのですが、長引くことがあるのが特徴です。

脾胃虚弱

消化器系の弱りによっておこる口内炎です。食べるときに舌を噛みやすい、舌がもつれやすい、唾液がすくなく水分をとりながら食べたり、お茶漬けなど汁をご飯にかけて流し込む人に見られやすいとされています。

口内炎は舌や頬などに繰り返し形成され、潰瘍の色は灰白色であることが多いです。

その他に湿気に弱い、甘いものをほしがる、精神的に落ち込みやすいといった症状も見られます。

このような脾胃の弱りの為にできる口内炎に有効なツボは
脾兪(ひゆ)
太白(たいはく)
公孫(こうそん)
内関(ないかん)
気海(きかい)
足三里(あしさんり)
陰陵泉(いんりょうせん)

となります。

脾胃虚弱の口内炎では食欲不振にも関わらず、甘いものだけは食べられるといったケースもありますが、過食すると脾に負担をかけるので気をつけなければなりません。

適度な運動をし、汗をかき、気分転換をすることも重要となります。

口内炎が治りにくい場合はベーチェット病などの難病である可能性もあります。ビタミン剤を摂ったり、生活習慣を改善しても口内炎が多発したり、なかなか治らない場合は必ず医師の診察を受けるようにしてください。