小児鍼
小児鍼とは小児または過敏な体質の患者様に対し、接触・圧迫・摩擦・などごく微量な皮膚接触刺激を主とした特殊な鍼です。
小児鍼の適応疾患
小児鍼の適応疾患はこどものおねしょ、疳の虫、チック、小児の下痢などです。
夜尿症(おねしょ)
尿意を感じて自分で排尿行為ができるのは、昼間で2歳くらい、夜間の睡眠中尿意で目覚めて、行動できるのは3歳くらいです。3~4歳になっても睡眠中寝床に尿を漏らすものを夜尿(遺尿)といいます。
機能的障害によるものが大半で一部器質的障害のものがあります。夜尿症の大部分は、自律神経系の未完成、アンバランスなどの排尿のメカニズムとそれに生理、心理的要因が関係してきます。夜尿ということについての、一種の不安、劣等感が情緒的にも不安定となり機能障害の増悪、機能低下を起こします。夜尿症の程度も様々で毎日のものから2~3日あけてまた繰り返すものもあり、一晩に2~3回する場合もあります。
学童期での夜尿では、むろん心理的なものもありますが、膀胱括約筋の発育不全、泌尿生殖器の奇形、糖尿・尿崩症などに起因する場合があるので経過のよくない場合は検査が必要です。
疳虫(かんむし)症
乳幼児期特に10ヶ月前後の小児におおい。夜泣き、夜驚、寝つきが悪い、不機嫌、奇声、食欲不振、落ち着きがない、甘え、反抗的、風邪をひきやすい、かみつき、などの症状がでます。 疳虫独特の顔貌目の白目が異常に青く、眉間や目尻周辺の皮膚静脈が浮いてくる。目、口の周囲が発赤してくる。
チック症
顔面、首、肩、上下肢に突然現れる反復性の不随意運動で無目的な異常運動です。学童期に好発し、男子に多く見られます。環境の変化、心理的な要因(ストレス)などが原因と考えられています。
小児下痢
症乳幼児、学童期に起こる下痢症状もいろいろありますが、体重減少をみない心因性のものから、嘔吐、発熱、脱水、意識混濁、痙攣などの随伴症状を呈するものなどまであります。
鍼灸での適応としては、神経質体質を原因とするものや、食事の食べ過ぎなどによる単純な下痢などが対象となります。
急性・慢性胃腸炎急性の場合は食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などがあり、下痢、嘔吐の回数が多くなると脱水症状になることがあります。発熱のあるものや重篤の症状を呈するものは、病院を受診してください。慢性の場合は、症状は軽く下痢が軟便、粘液便、時に水様便などの症状が現れます。心因性、体質性のものが多く精神的興奮、家庭内環境のストレス、不安定などが誘因となります。