顔面神経麻痺の鍼灸治療

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顔面神経麻痺とは

顔面神経麻痺は、顔面の運動神経のが出麻痺が現し、その障害部位によって他の症状が出現します。

涙の分泌異常聴覚過敏味覚障害唾液分泌異常などの症状が起こります。

病因としては聴神経腫瘍、髄膜、クモ膜下炎などの頭蓋骨内の原因からくるもの(1~2%)

ベル麻痺、ハント症候群などの側頭骨内の原因からくるもの(90%)に分けられます。

その他耳下腺悪性腫瘍などの側頭骨外の原因からくるもの(2~3%)もあります。

顔面神経麻痺の中で最も多いとされるのがベル麻痺とされます。

 

ベル麻痺とは

ベル麻痺は側頭骨内での顔面神経の障害によっておこる片側の末梢性の麻痺をいいます。

その原因は不明とされていますが、ウイルス説や神経の欠乏説が言われています。前駆症状なしに突然出現する麻痺で、その麻痺の程度は様々です。

主な症状は片側の顔面の運動(表情筋)の麻痺が現れ、その他の障害の部位によって聴覚過敏、味覚障害、唾液分泌の低下などが」起こります。

 

顔面神経麻痺が引き起こす症状

顔面神経麻痺が引き起こす症状としては次のものが挙げられます。

ワニの涙症候群(クロコダイルの涙)

ワニがエサを食べるときに偽善者的に涙を流します。要するに食事の時に涙が流れる現象を指します

 

病的共同運動

目をつむれば、口が動く、口を動かせば目をつむるといった症状が現れます。

 

顔面神経麻痺の治療法

顔面神経麻痺に対する治療法は保存療法がとられます。ステロイド剤、ビタミン剤、神経賦活剤などを使用します。ベル麻痺であれば約80%の症例で完全回復します。

 

顔面神経麻痺の鍼灸治療

顔面神経麻痺に対しては現代医学的アプローチと東洋医学的アプローチによって行います。

現代医学的アプローチ

顔面筋の筋繊維に対して刺鍼していきます。

陽白、瞳子髎、巨髎、地倉、頬車といった経穴に鍼治療を行います。

 

東洋医学的アプローチ

東洋医学では顔面神経麻痺のことを面癰(ミェンタン)といいます。

病因は風寒の邪によって、顔面の経絡が侵され、経絡が阻滞して経筋が濡養を失った結果、筋肉が弛緩してしまい発症するとされています。

バイクなどで風にさらされ続けることで起こるものがこれにあたります。

経穴としては、風池、翳風、陽白、太陽、攅竹、四白、迎香、頬車、合谷、内庭などを用いて鍼灸治療を行います。

または老化・疲労によって陰虚が起こるか、ストレスによって肝陽が高ぶることによって肝風内動することで発症するとされています。

頭痛、めまい、筋肉の痙攣、顔面の紅潮などが起こります。

経穴としては、地倉、頬車、合谷、内庭、太衝などを用いて鍼灸治療を行います。

 

顔面神経麻痺の筋力トレーニング

顔面神経麻痺の治療では表情筋肉の筋力のリハビリが必要となってきます。

顔面神経麻痺の表情筋のトレーニングは筋力の回復だけを目的にするのではなく、顔面の感情豊かな表現力を回復することにあります。顔面神経麻痺の初期は、顔面の表情筋を動かそうとしても動かそうとしても動かないため、大変な努力と根気が必要となります。

筋力が回復するにつれて筋の動作はスムーズになりますので、次第に表現を作る動作に移行していきます。

表情筋のトレーニングは

①目を閉じる
②額のしわ寄せをする
③唇を尖らせる
④イーとかへの字をつくる
⑤頬を膨らませる

などの状態で力を入れた状態を5秒以上持続するようにします。

顔面神経麻痺の鍼灸治療は顔面麻痺を発症してから治療を開始するまでの時間が早ければ早いほど効果が良くなります。

症状がなかなかよくならない方は、早めに治療を始めるようにしましょう!!