年をとるとなぜ背中が丸くなるのか
日本では現在27%の方が65歳以上の高齢者になります(2017年度)
高齢者の方にとっては体や関節の痛みは日常生活を送るうえで非常に妨げとなる要因となります。
とりわけ高齢者の方にみられる身体の症状としては腰痛・肩こり・膝の痛みの3つが主な体の痛みの原因となってきます。
そのような体の凝りや痛みを発生させる原因として、関連の深いものに円背や亀背といった背中の丸みといったものがあります。
背中が丸くなることで筋肉のバランスが崩れ、その中で膝や腰、肩の筋肉など体の不調を訴えるようになります。
なぜ背中が丸くなるのか
では一体なぜ背中が丸くなるのかという疑問が生じます。
高齢者の方に限らず、背中が丸くなっている方も見られますが、これは骨盤の傾きが関係しています。
上の図のように背骨は頸椎・胸椎・腰椎の連結によって形成されています。
頸椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯というようにS字カーブを描いています。
ここでカギとなるのは腰椎が乗ってくる骨盤の傾きです。
骨盤の傾きがここでは骨盤の傾きが軽度に前に傾いているのがわかります。この骨盤の前傾によって背骨の正常なS字カーブが支えられているのです。
高齢の方や背中の丸い方の骨盤は骨盤が後傾してきます。イメージとしては骨盤が立ってくるイメージです。
骨盤が立ってくると腰椎は前弯をキープできなくなるために腰椎の前弯がなくなります。腰椎の前弯がなくなると胸椎・頸椎とバランスをとろうとするために背骨の正常なカーブを焼失させることになります。これが背中が丸くなるメカニズムです。
なぜ骨盤が後傾するのか
骨盤が後傾することで背中が丸くなるのはわかりましたが、なぜ骨盤が後傾するのかというと骨盤の周囲の筋肉の緊張が関係してきます。
とくに重要なのが腸腰筋と大腿直筋の萎縮です。年をとったり、運動不足になり腸腰筋と大腿直筋が委縮してくると骨盤周りの筋肉の緊張のバランスが崩れるために骨盤が後傾してきます。
背中が丸くなるのを防ぐためには
背中が丸くなるのを防ぐためには腸腰筋と大腿直筋のトレーニングをすることと、腹直筋とお尻、大腿二頭筋のストレッチをすることです。
腸腰筋と大腿直筋が鍛えられて、腹直筋・大殿筋・大腿二頭筋の筋肉が伸びることで骨盤の傾きがよくなり自然と背中の丸みは改善してくるはずです。