坐骨神経痛のときのマッサージや鍼の刺激について
前回のコラムでは肩こりの時に強いマッサージやゴリゴリするようなマッサージを継続して行うことで、肩こりがどんどん悪化していくことをお伝えしました。
今回は坐骨神経痛でお尻が痛い時にはマッサージや鍼をする際に今日刺激は避けたほうがよいという話をします。
坐骨神経痛の際の強い刺激は症状を悪化させます
坐骨神経痛に限らず、三叉神経痛や肋間神経痛といった神経痛と名の付くものはだいたい強い刺激を受けると悪化します。
腰痛の場合は急性の腰痛であるぎっくり腰を除けば、多少痛いマッサージや鍼を行った場合でも症状が悪化するということはあまりありませんが、その延長線上にお尻の痛みやふとももの痛みを同等に考えて強い刺激を与えてしまうと、施術の直後から症状が悪化することが多くあります。
ですから、基本的には痛むところへの直接的な今日刺激は避けたほうがベターです。
坐骨神経痛では神経が炎症を起こしていることがある
坐骨神経痛は別名梨状筋症候群と呼ばれ、梨状筋というお尻の筋肉が過度に緊張して坐骨神経を絞扼(はさみこむ)して神経を刺激することで痛みが起こります。
したがって梨状筋症候群によっておこる坐骨神経痛は梨状筋の緊張を緩めることによって症状は緩和します。
しかし、場合によっては坐骨神経が痛み刺激に対して過敏になっていたり、坐骨神経自体に炎症が起きておりじっとしていても、ピリピリとしていたり、ジンジンとしていたりすることがあります。
炎症を起こしているので、下手に神経を刺激したり、血流をよくすることで炎症を悪化させた場合は坐骨神経痛を悪化させてしまうということになります。
マッサージや強い鍼刺激だけでなく、臀部のストレッチであっても痛みが悪化することがあるので注意が必要です。
坐骨神経痛の痛みが強い時は今日刺激を避け、交互療法を行う
坐骨神経痛の痛みが強い場合はあまり痛みのある所には触れず、まず10分くらい冷やします。これによって過敏になっている神経を鎮静化します。
その後蒸しタオルなどで5分温めます。次に5分冷やし、5分温めます。これを2~3回繰り返すだけで症状が楽になることが多いです。
鍼灸治療を行う際は坐骨神経を過度に刺激しないように梨状筋に対して細い鍼を用いてスッと鍼をし、硬くなっている筋肉に当てます。鍼を上下に動かし響かすようなことをせず、そのまま鍼を5分程度置いておきます。その後お灸をすると症状が改善することが多いです。
お尻の筋肉だけでなく、腰や太ももの筋肉を緩める目的で鍼をするとお尻の痛みも改善することが多くみられます。
とにかく坐骨神経痛の出ている場合は強い刺激を避けるのが無難ですというのが今日の話でした。