緊張すると手足が冷たくなるのはなぜ?
人前に出ると緊張したり、テストの時手が冷たく感じた経験をした方もいるかと思います。
僕も鍼灸学生の頃の実習で鍼をする際に、手がとても冷たくなったのを覚えています。
手足が冷たくなるのは自律神経が関係しています。
私たちの手足の冷たさに関係している自律神経が関与する働きは大きく2つがあげられます。
- 手足の血管の太さが細くなる
- 手足からの発汗
1.手足の血管の太さが細くなる
私たちの手足の温度は末梢血流に左右されます。
末梢血流とは手や足などの体の末端を流れる血液の流れのことです。
心臓から排出された血液は
大動脈⇒動脈⇒毛細血管⇒静脈⇒大静脈⇒心臓
と1分間に約5ℓもの量が絶えず循環しています。
これによって各組織に栄養が送られ、不要となった老廃物が運ばれています。
心臓から排出された血液の約15%が骨格筋といって内臓以外の筋肉に流れています。
血液の流れは気温や運動、体温など様々な要因によって変わってきますが、その環境環境に適した血液の循環になるように勝手に私たちの体の中で調節しています。
体に分布するセンサー⇒脳⇒自律神経⇒血流の調節
というようにして血液の流れはコントロールされています。
とりわけ、手足の末梢の血液をコントロールしているのは自律神経の中の交感神経です。
寒さなどのストレスが体に加わると、脳からノルアドレナリンという物質が分泌されそれが交感神経に働きかけて手足の末梢の血管を収縮させます。
手足の末梢の血管が収縮することで、手足にながれる血液の量が減ります。血液の量が減ることで手足の温度が下がります。
こうして手足の冷えとして感じるようになります。
寒さなどのストレス以外でも怒りや恐怖などの精神的ストレスによっても脳からはノルアドレナリンが放出されるために、自律神経の交感神経に働きかけ末梢の血管が収縮することで手足の冷えを感じるようになります。
2.手足からの発汗
そしてもう一つは発汗です。
緊張すると冷や汗が出たりすることがあります。これを精神性発汗といいます。
これも自律神経の交感神経の働きです。精神的ストレスを感じることで交感神経が働き発汗します。
発汗によって体の熱が奪われますので、手足の冷えを感じるようになります。
試験など一過性に緊張したりするだけなら問題ありませんが、対人関係や環境など長期間にわたり常に心身ともに緊張状態にさらされることによって、慢性的に手足の冷えを感じるようになってしまうこともあります。
緊張による手足の冷えの対策は?
緊張による手足の冷えの改善はリラックスです。
リラックスする方法は人それぞれありますので、個人で会うもの探してみてください。
個人的にお勧めなのはぬるめのお湯につかることです。
ぬるめのお湯に浸かることでリラックス効果がありますし、発汗をすることで汗腺の働きをリセットするのにも役立ちます。
だいたい15分から20分程度がよいでしょう。
緊張による手足の冷えにおすすめなツボ
緊張による手足の冷えにお勧めなツボは三陰交・血海・内関・神門です。
三陰交や血海は血流を改善するのによく使います。
内関は循環器系を整える働きや精神的に安定させる働きがあります。
神門は心を落ち着けたり、精神的な緊張を緩和させる働きがあります。
ぜひ試してみてください。